tayutauao

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2月27日、口づけ

泣いていても眠っていても続く。 酔っ払ってフラフラゆらゆらと千鳥足でも 湯船に頭から潜ってボウルの中のアサリになっても きみと手をつないでこの世で1番いい気持ちがしても止められない。 死ぬまで脱ぐことができない。 100年たったらみんな死ぬ。 それ…

2月17日、蝶々結び

思えばきみは出会った時から、なつかしい人でした。 白い鳥たちが飛び立つその音を聞いた。 うんと寒い海にはまだお昼間だというのにまったく人気がなく 私はそこでただのひとりきりだった。 広い海を見ていると、そのことがもっともっと染み入ってくる。 い…

2月7日、あなたに電話しない夜

見慣れた帰り道 電車に揺られながら覗き込む夜。 今日はあまりきれいだとは思えなかった景色。 そういうものも、あるのだ。 何でもかんでも感動していられない日というものが、あるのだ。 雑多でとりとめのない限りのないグレーの生活が、 真面目な顔でうご…

1月28日、and others

「生活の隙間にかみさまはいる」

1月27日、sky

ベランダから世界をのぞむ

1月23日、YAMABIKO

わたしのとこ、風が強い あなたのとこ、風は吹いている? 冬、そういってしまったら、おしまいでしょう 雪、そう書いてしまったら、かなわない あなたに出会った季節のこと 束ねておく必要は、どこにもない ’書くこと’は罠だ 書く時間はとてつもなく、つらく…

1月18日、夏の恋人

こんにちは。 本日はお日柄もよろしく・・・なんてご機嫌に 始めてみるblogもありかなあなんて思いながら きのう、おとといまでの寒さのやわらぎに うっとりとしている今日の午後です。 昨晩はめずらしく恋人よりも遅くに眠りにつきました。 朝方まで熱く友…

1月12日、strobolights

AM 7:05 冬の朝は気持ちが晴れたり曇ったりする。 それはなにもかもを放り出した窓にかかった カーテンを引くときにやってくる感情の潮のこと。 まるでわたしたちの人生のような緩やかな波。 * AM 9:34 お正月も終わり、また味気ない日々が舞い戻ってきまし…

1月12日、everything

色付きのシャーレ 太古のひかりはとけあふれてしまった 最高深度の空をわすれてしまった? 冬。きみのこめかみ。集めかけの未来。 目の前のきみが、たたずむわたしのたんじゅんな感動だった。 (きみが手指の先を伸ばしたら、 思いもかけず触れそうになった…

1月1日、賀正

新年あけましておめでとうございます 今年もよろしくお願いします

12 月31日、なんでもないや

2016年にも年の暮れがやってきました。 わたしにとってこの1年は比較的穏やかに過ごせたのではないかと思います。 何より年末感がないことでそう思うのでしょうか。 暮れたり、明けたり、と思うけれど本当はただただ巡っているだけで この冬を越えたらきっと…

12月30日、メロディーフラッグ

「酔っ払うと記憶、なくしちゃうんだよね」 君がそっと笑う。 だから私が残してあげると言った。 君は爪弾き、歌う。裏声がきれい。 酔った息でたまにあくびをしながら君が歌う。 君がダメダメでもいいよ、私がしっかりしてあげる だなんて言えなくて、ただ…

12月18日、still in there

あたりまえに失われる毎日を どうにかこうにかして引き止めたいと 書いたり、撮ったりすることは ちゃんちゃらおかしくて とても愛おしいことだと思う。

11月26日、because

one pain one hope too far so close we laugh we cry we live we glow * まだ辺りはまっくらな明け方、4時50分。 クマのようにのそのそと起きだしたわたしはそうっと家の扉を開ける。 何かを吸収するような朝の冷えつきは吐いた息を白くすることがない。 …

11月10日、want you back

今日仕事であなたがいた街に行ったよ あなたが入れてくれたココアを思い出した 心地のよかった時間を思い出した 世の中の人間は生活にみんな不満を持っているんだと最近感じるんだけど あの時の俺には何もなかったなと思った いい時間があったことを幸せにも…

10月21日、にじいろ

こんにちは 金木犀の匂いがあまりにもやわらかくて ベッドから出るのが億劫なわたしです。 本当はただただ眠いだけです。 夜明け前、窓の輪郭がおぼろげに浮かび上がってくるその瞬間の青に胸がひんやりとする。 何億ともつけられない青でした。 夢を見まし…

10月9日、P.S

花に触れた指先がくすぐったい 部屋を渡って行く風があまりにも躊躇なくて 私はなんだか苔むしたようなそんな気持ちになる 名付けられた世界にあまり興味がない あなたのここが好きです、とか伝えるのが下手くそなタイプ 興味があるのはその間にあるもので …

10月2日、幻

こんばんは 挨拶をするって好きだな あなたにセイ・ハロー 鈴虫がうるさいほどにもういいよってほどに 鳴いてた夜が明けてみたら朝がきている。 なんとかって花がこの季節のことを告げている。 「前髪が伸びたら会いに行くね」と約束をした 本当は前髪なんて…

9月28日、愛してる.com

わたしね、日曜日の夜は 何だか切ないものだって みんなそう思ってるって思ってた。

9月22日、僕の宇宙

幾つかのことを思い出してみる、順不同に ー両手の指から溢れるほどの桜の花弁 ーいい匂いのする香水のつけたての手首の内側 ーわたしじゃ物足りないといった男の子 ー窓際の虫をプツリと殺したつまらなかった英語の授業 ー終わりの感覚 生きることとは過去…

9月15日、フィラメント

季節のはなしから始めようにも 今は春ではないし夏ではないし冬ではないし 秋なのだけれどそうとも言い切れない。 この中途半端な季節にもきっと名前が付いていて でもそんなこと知らずともスキップして生きていける 私たちはとてもかわいい。 今日も煙草は…

9月7日、1983

「60階っていう高さを想像したことがある?」 それが一体地上から何メートルの高さがあるかなんてわからないけれど それは虹のふもとが見渡せる高さです それは高速道路で起きた事故が見渡せる高さです それは歩いている人間が米粒みたいに見える高さです 人…

9月4日、モメント

8月が去って9月がやってきました ”9月は誰も思い出さない”と歌ったのは誰だったか。 晩夏。 みなさん夏の疲れがたまってはいないでしょうか。 世界は今日も眩しかったでしょうか。 ここは(ここはというのは病院ですが) 中庭がうつくしい。 洗濯物がゆるゆ…

8月19日、もうすぐ夜があける

今日も暑くなりそう。 最近は「書を捨てよ、町へ出よ」な毎日です。 灼熱にこの身をさらして流れてくる汗をぬぐう日々です。 夏は苦手なはずなのに大切な季節だなと思います。 誰もが思い出す季節、だからでしょうか。 わたしが夏生まれだから、でしょうか。…

8月16日、antique

やさしく書くこと 外来語を避けること 目に見えるように表現すること 短く書くこと 余韻を残すこと 大事なことは繰り返すこと 頭でなく心に訴えること 説得しないこと 自己満足しないこと 一人のために書くこと 「暮らしの手帖」花森安治の『実用文十訓』は …

8月3日、クライベイビー

7月、なんやかんやと風も日差しもまだやわらかに感じた。 うずもれたひらがなをひとつひとつ拾うようにして 青く伸び続ける草の間を歩いていたら 強烈に照りつける太陽の光、吹けば熱風の8月がやってきていました。 1日に5年を脱ぎ捨てているような気持ちで…

7月17日、夜

写真というのは結果だけど。 ファインダーをのぞいて あなたを見るということは あなたから目を離さないということなのだと思う。 あなたを見ていたいということ。 あなたの生をたしかめることなのだと思う。 あなたの生きることを、死ぬことを、 わたしが預…

7月11日、Clear My Head With You

「ラブソングと犬とたばこがすきです。それより好きなのは別れを告げられた人です」 そんなふうに言ったきみがなんだか勇者にみえる。 すきな小説や音楽のこと、自分にとってうれしかったことやかなしかったことを あなたに教えようとするのはこわくないのに…

7月7日、海と花束

「僕たちはいつも叶わないものから順番に愛してしまう」 豆電球のついた低い天井 外はうだるような暑さでコンクリートがゆらゆら揺れて 買ったばかりの水は汗をかきながらぬるくなっていく そんな真っ暗な部屋の中で叶わないものばかり数えてしまう。 一緒に…

6月28日、peace

「今日の私、平和の象徴」 そういって男の子はえへへと笑っていた。 誰も死ななければいいのにとわたしたちは祈った。 こんにちは 窓をあけているとひんやりと冷たい空気が部屋に流れ込んで だれかの大丈夫、大丈夫という世にもやさしい声が聴こえてきます。…