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tayutauao

text / photo

10月16日、カンボジア2

アンコールワット

アンコールトム

バンテアイ・クディ

タ・プローム

 

08:00くらいに起きた。昨晩から降り続いてた雨は止んだように見えた。でも、いきなりザーッと降っては小雨になってを繰り返していただけ。そして出かける準備をしても、わたしたちには"アシ"がない。ゲストハウスのオーナーのワンナさんにどーすんのって尋ねられる。

 

「We have no plan.」

 

カンボジアの観光はだいたい、レンタサイクル、バイクタクシー、トゥクトゥク、クルマの4種類を駆使してすることになる。わたしたちは最初からトゥクトゥクで移動しようってに決めていた。

トゥクトゥクは、スクーターの後ろにラーメン屋台みたいな、人が向かい合って4人座れる程度の荷車が付いた楽しい乗り物で、時速30キロとか40キロくらいで走る。乗っていると風を切る感覚が心地よい。

 

手配してもらったトゥクトゥクが到着して、9時ごろにゲストハウスを出発した。

ドライバーはマップさんという人。陽気で、少し日本語もできて、こんがりと日に焼けていて、やさしい人だった。フルフェイスのヘルメットにはサソリのステッカーが貼ってある。

 

カンボジア初日である今日はアンコールワットとアンコールトムに連れていってもらった。

 

アンコールワットすごかった。

アンコールトム宇宙だった。

ガイドにつこうとしてくるカンボジア人の強引さに驚く。

案の定、ガイド代を2人で20ドルとられる。

1時間でアンコールワット見終える(見終えてないけど)。はやすぎ。

 

後から見返すと、自分の箇条書き日記に思わず溜め息ついちゃいそうだ。

でも実際に見たり、聞いたり、匂いを嗅いだり、食べたり、触ったりして感じているときに残せることなんてそんなものなのかもしれない。受け取ることで精一杯だから。飛び込んでくるものが強烈すぎるし、できたら余すことなく自分の内側に取り込みたいって思っていたら頭なんかぜんぜんついていかないもの。

 

お昼はアンコールトムすぐそばの食堂でヤシの実ジュースとポークカレー。カンボジアではじめて食べるごはん。そういえばきのうの夕方から何も食べていなかった。ごはんと聞いていきなりお腹がすいてくる。おばさんに辛いかどうか聞いたら笑われた。「カンボジア料理は辛くないよ。」

ごはんが出来上がるまでの間に、マップさんと深谷くんは作戦会議をしてる。たのしい光景。

カレーはココナッツが効いてて、おばさんの言ったとおり全然辛くなくて、どちらかといえば甘くておいしかった。インゲンの歯ざわりがキュッキュッと賑やか。まるく盛られたごはんは、タイ米っていうのかな。細長くて粘り気が少ないやつ。日本のお米はもちろんおいしいけれど、カンボジアの料理には味付け的に、こっちの細長いお米の方が合うと思った。

 

アンコールワット近くの遺跡を巡っているときに、うつくしい人に出会った。

自分が歩いているのは"遺跡"ではなく"寺院"なんだということが肌でわかった瞬間。

ひんやりと湿った石床の上に佇むその人はわたしたちにgood-luckを結んでくれた。

 

いくつか周辺の遺跡をまわってもらった後に、マップさんにお願いしてシェムリアップの中心街へ行くことにした。オールド・マーケットに着いて、まずはたくさん歩いて疲れていたのでカフェでひと休み。日本人の虚弱なお腹の都合上、避けた方がいいらしい氷に怯えながら、グラスいっぱいに注がれたキンキンのフルーツシェイクで体を冷やす。パイナップルとかココナッツとかドラゴンフルーツとかリンゴとかバナナとかマンゴーとかパパイヤとか、いっぱい果物が入っていて、常夏の味で、とてもおいしかった。思ったんだけど、たくさんの果物がどっさりと入っていて、だからちょっと雑なくらいいろんな味がして、湯船につかったときにザパ―ンってお湯がこぼれちゃうみたいな豪快さとゴージャスさとあふれるほどの豊かさと開放感が常夏なんだなあって思った。もちろん、入ってるのあたたかいところで採れる果物ばっかりなんだけれども。

 

それから生まれてはじめての全身オイルマッサージを受けた。ジャスミンのいい匂いのするオイルを使ってもらって、1時間かけて足指の先から手指の先までぐにゃぐにゃにほぐしてもらった。わたしはスーッとリンパに沿って滑らせるようなマッサージだったのだけど、深谷くんはバシバシ叩かれてた(ような音がした。)女でよかったってちょっと思った。マッサージを終えて外に出ると、だいぶ日も暮れてきていた。マップさんとの待ち合わせまで20分くらいしかなくて、大急ぎで晩ごはんにありつく。濃いオレンジのプラスチック製の器によそわれた春雨スープみたいな食べ物。春菊に似た野菜が入ってる。にんじんにスープが滲みててほっこりとする。ビールも合わせて2ドルでおなかいっぱいの世界。

 

降ろしてもらった場所で待ち合わせて、トゥクトゥクで部屋まで送ってもらう。泊まっているゲストハウスは町はずれにあるので、交通量は宿に近づくにつれて少なくなる。雨とはいえ、昼には市場の匂いや排気ガスの匂いがした道路も、夜になると落ち着いて、なつかしい田舎の匂いがする。

 

お風呂には先に入らせてもらった。手首に結んでもらったgood-luckをヒダリアシクビに結びなおして、きっといい旅になるねと言った。少し遅くまで話し込んで、気付いたら寝ていた。