10月21日、あの娘が眠ってる
おどろいた。
持ち上がるようにして夜はやってくるんだ。
太陽が沈んだらその赤やオレンジに灼かれた空気がうんと濃く落ち沈んで、
爽やかに水色だった上澄みはそれよりも鈍く、まるで砂時計の砂みたく下層の紺に飲み込まれてく。
空と雲の水平線は変わらずに、
さっきまで天国で絞ったミルク味のオレンジみたいだった色と、空の青が交わっていたところ。
層の変わり目が重力なんて放ったらかしにしちゃう飛行機みたいにぐんぐん上昇してゆく。
境界線の色がいちばんに濃くあおく、
どうしても浮き輪を外して泳ぐことのできなかったあおの海に4時間を足したような色をしている。
透明のフィルタが幾重にも重なっているから見えているはずの底を少しだって信じることができない。
結局はこんな風にして組まれた言葉が遠回りをさせて、なあーんにも言えなくなるねってスウスウする胸。
空の上であの子が眠ってる間に夜はやってくる。
2013/10/20 20:08