4月28日、ありふれた言葉
あなたは写真の似合う人です。
ただ、とても気になることに
不幸せな愛も似合う人なんです。
そう言われたことがあります。
わたしの恋人だった人は、女の人と一緒に死にました。
冬の朝は1ミリのずれもなくやってきました。
何層にもなった薄い紺碧をぺりぺりと剝がすみたいに。
もうあまりいろんなことを思い出せないけれど
また一緒に始発電車に乗りたいとおもいます。
あの頃、1度だけそうしたように。
果たしてあれは不幸せな愛だったのでしょうか。
*
やはり何を書こうかなと思って手が止まる。
ベランダで煙草の煙をぷかーっと吐きながら考える。
結局かけることは瑣末な存在のこと。つまりわたしのこと。
さいきんのわたしはというと、軽い鬱気味でほとほと疲れやすく寝てばかりいます。
減らしに減らした薬が1つ増えました。ほとんど睡眠薬のような安定剤。
また、孤独を感じています。忍び寄ってくるあいつ。ほとんど当たり前のように。
家の中にじいっとひとりでいることに限界を感じてもいます。
声にならない叫びをあげながら涙を流すことはとてもつらいことです。
「焦っているね」
先生はそういいました。
お母さんの作ってくれるご飯を食べるのが億劫で
冷えきった体を温めてくれるお風呂にも入ろうとしない。
家事に身が入らず、いわれたことをなんとかこなすだけ。
自分でした約束も面倒くさく、約束を破ることも厭わない。
家事をしなきゃ
ごはんを食べなきゃ
お風呂に入らなきゃ
外に出なきゃ
たしかに、生活に追われています。
息の切れた疲れたランナー。
今日、病院で先生にさらりと
「でもあなたは社会に不適合じゃないですか」といわれて
ほとほと困り果ててしまいました。
アルバイトの面接を受けたのです。
返す言葉がなくえへへと笑うことしかできなかった。
No one belongs here more than you.
わたしはそのときそののとき
「いちばんここに似合う人」になれているのだろうか。
そればかりが気になります。
あなたは悪くない。
もしかしたらそれは、わたしがずっと誰かに言ってあげたかった、
そして誰かに言ってほしかった、たったひとつの言葉なのかもしれなかった。