8月19日、もうすぐ夜があける
今日も暑くなりそう。
最近は「書を捨てよ、町へ出よ」な毎日です。
灼熱にこの身をさらして流れてくる汗をぬぐう日々です。
夏は苦手なはずなのに大切な季節だなと思います。
誰もが思い出す季節、だからでしょうか。
わたしが夏生まれだから、でしょうか。
いずれにせよ過ぎ去ってしまえば呼び戻したくなるような
そんな季節であることに変わりはないでしょう。
恋人と別れることになりました。
「とにかく健康でいてください」
最後に言われたのはそんなことでした
そしてわたしは長かった前髪を切り
高い化粧品を買って武装をした。
いい匂いのするファンデーション
真っ赤なルージュ
色とりどりのネイルカラー
「ひとりでも強く生きていけますように」
少しの寂しさを感じながら、そんな願いを込めて。
夏は苦手だけれど、きっとわたしは
この季節を何度も忘れることでしょう
この季節を何度も思い出すことでしょう
それでいいのです。
顔や声や仕草を忘れていくのです
かけてくれた言葉や笑顔を思い出すのです
それでいいのです。
それはそれで、素晴らしいことだからです。