7月25日、カブトムシ
こんばんは。
今年も驚くほど、暑い。
ジャックピアソンの撮ったスイカの写真がどうにもエロくって
わざと音を立てて、手指から水滴を滴らせて、それをむさぼるように食べてみる。
あと1ヶ月したらまたひとつ歳をとる。
「死」という名の「生の完成」が近づいてくる。
毎年、毎年、どんな風に夏を形容してきたのだろ、わたし。
深呼吸をして思ってみる。
悔しいくらいにどこにも行けなくて、
愛おしいほど、どこかからきみが、あなたがやってくる季節。
心だけはどこにでも行けて
恋の数だけ星がよく見えるようになったと錯覚をする。
夏が来る前に出会ったら
秋が来る頃にはさようなら
そんな風にして生きてきた
切なさを吸い込んだ体がこんなにも愛おしい
隣で眠る君の生の匂いと少し汗ばんだベッドと布団
空には分厚い雲がかかってわたしはなんだか泣きそうでした。
朝、きのうの夜にきみがクシャクシャに乾かした髪が
起きたらストン、と落ち着いてしまっていたのでわたしは少し泣きました。
月には水の痕跡があって
けれどもわたしにはなんにもない
きみには水の存在があって
けれどもわたしは見るからに空っぽだ
きみが柔らかく噛んだ肌に
ひっそりと痛みがうずくまっているだけ。
抱きしめると君はわたしのものではないと
心から分かってしまうから
わたしはなんだか安心に似た気持ちを覚えます
どんな風に生きてきたんだろうって
そんなことも知らないで見つめてくれてありがとう
そんなバカみたいな正直さで優しくしてくれてありがとう
その目だけが生きているきみの本当だ