12月23日、死がふたりをわかつまで
「生きることや死ぬことにそんなにこだわるのが僕にはわからないな」
窓からのぞく空が白い
それは干しっぱなしのシーツや
洗濯用のハンガーと同じような色をしていて
青が群がっていた日のことなんて忘れてしまいそうだ
これは書いてしまうと本当になってしまいそうで
言葉にしてしまうとそれだけのものになってしまいそうで
書きたくないし、嫌だし、それっぽっちの話ではないんだけど
わたしには今も拭えない気持ちが確かにある。
許したい気持ちはずっとあるのに、許せないでいる。
怒っていて、悲しくて、寂しくて、嫌いで、好きで、愛している。
人と同じ生き方なんてまっぴら!と尖っていたわたしが
人並みかもしれないつつがない人生の柔らかさを受け入れようとしたことも
愛されたから愛することを知れたんだなって後になってから気づいたことも
死にたくなるほどひとりじゃ生きていけないと思ったことも、
殺してやりたくなるほど誰かを強く想うことも。
全部全部教えてくれた人が、確かにいたのに。
もう、夢みたい。
「こだわり」なんて格好のいいものなんかじゃなくて
「とらわれている」だけなんだけどなあ、と思う。
崖の淵をそろそろと歩いているような人生の只中で
踏み外せば途端に死んでしまいそうな生活の只中で
呪いをかけられたと思っていたけどかけたのは私だった
あなたと私が一緒にいたことを今はもういないあなたの分まで
覚えていられるのが私だけなら、私は喜んでその呪いにかかっていようと思う
「あなたは何も悪くないよ」と夢枕に立つあなたにも言いたい
あなただって何も悪くなんてなかったんだ。