3月14日、スケボーマン
今 行きたいところはにわか雨の降る暗くて深い夜の海。
熱のこもる体だけの発光するそこで、
すべて投げ打って煙草を吸いたいのだ。
この世界はひらかれているように感じることもあるけれど
卵の薄い皮に包まれている。今は。
ずっと前にきれいな思い出にしたはずの記憶が
わたしのこころをズタズタにするんだ。
想いなんて捨ててしまったのに、
いまだにこんな気持ちをぶつけてくるあなたを本当にすごいと思う。
ねえ、海に行きたいや。
何も考えられないくらい暑くてうだるみたいな
夏の真夜中の海はわたしたちの世界そのものだった。たぶん。
書きたいことを書いていればしあわせなのか?
眠るだけでは、食べるだけでは、
生きていると満足に感じられない体を
頭をこころをバカヤロウと思いながら、
まだ、果てのない夢を見ている。
わたしの書く何かが誰かを救うことがあるとすれば
きっと間に合わなかったこともあるだろう。
あと一歩、叶わなかったことがあるだろう。
大切な時間に遅れてしまったわたしを
その誰かはゆるしてくれるだろうか。
そっと世界の淵に足をかけて
わざと踏み外したあなたが
首をくくったあなたが
どこにでも咲く春の花のように
儚くもうつくしくてそのことが今日も
わたしを世界につなぎとめる。
書くことを与えてくれる。
書くことを諦めさせてくれない。
だからわたしはあなたのいのちに感謝している。
こころから花束を贈る。
おやすみなさいと労いの声をかける。