8月31日、若者たち
日焼けすれば傷が薄くなるかもと思って
今年は大変に日焼けをしたけれど
傷はうすくなるどころか立体感を得て
今にも踊りだしそうになっている。
リストカットを弱さだと思ったことはない。
けれど、「それは弱さじゃないよ」とはっきり言われたのは
きっと初めてだったから、驚いた。
生きているからこそ、時にはつまずく。
生きているからこそ、傷だってできる。
生きてきた証。生きている確認。生きていくこれからの未来だってそこにある。
まいったなあ、と思った。
それらは強くやんわりとわたしの背中を押す、わたしを生かす言葉だった。
夜中に2度泣いた。
胸がいっぱいになって苦しかった。
まるで空っぽなガランドウの毎日とか
圧倒的自由なようでいてしばられたじかんとか
そんなものから放たれる瞬間だった。
君の無垢なやさしさとあいしているという言葉や想いが
ぎゅうぎゅうに詰まった時間にポロポロと涙がこぼれた。
しあわせを後ろめたいとやっぱり思ってしまうわたしには
そんな言葉はもったいなかったけれど、溢れてしまった心も涙も心地よかった。
君は素直でまっすぐで、本当は強がってしまう自分を解放してわたしをゆるした。
当たり前のように胸に飛び込んでくる君に感動していた。
解き放たれて満杯になる。
あたまとこころがぐにゃっとふやけてぎゅうっとつまった。
「なんで泣いとるとねー。嬉しか時は笑わんといけんよ」と
ヘラヘラ笑う君が、君だけが、大気を揺らす薄明。
きみにころされて
きみにすべてうりわたして
きみに抱かれて生き返る
あたらしくおろかなわたしは
痛いほどの愛がゆっくりまざりあう瞬間を静かに見ていた。
きみは見合わぬ力を持っている。
朝が来なければいいと思ったのに朝はきた。
だるい脳みそを撫であいながら
わたしたちはいつの間にか眠っていた。