10月2日、幻
こんばんは
挨拶をするって好きだな
あなたにセイ・ハロー
鈴虫がうるさいほどにもういいよってほどに
鳴いてた夜が明けてみたら朝がきている。
なんとかって花がこの季節のことを告げている。
「前髪が伸びたら会いに行くね」と約束をした
本当は前髪なんてすぐに伸びてしまうから
こんな約束に意味なんてないと思ったけれど
これがわたしの精一杯だった
*
ああ、ロミオ、ロミオ、
どうしてあなたはロミオなの。
お父様と縁を切り、その名を捨てて。
それが無理なら、
せめて私を愛すると誓って。
そうすれば、私はキャピュレットの
名を捨てましょう。
私の敵はあなたの名前。
モンタギューでなくても、
あなたはあなた。
モンタギューって何?
手でもない、足でもない。
腕でも顔でも、人の
どんな部分でもない。
ああ、何か別の名前にして!
名前がなんだというの?
バラと呼ばれるあの花は、
ほかの名前で呼ぼうとも、
甘い香りは変わらない。
だから、ロミオだって、
ロミオと呼ばなくても、
あの完璧なすばらしさを失いはしない。
ロミオ、その名を捨てて。
そんな名前はあなたじゃない。
名前を捨てて私をとって。
*
「月が綺麗ですね」と言ったのは君だった
「ずっと月は綺麗ですよ」と答えたのはわたしだった