2015-01-01から1年間の記事一覧
むかし、遠藤周作の『悲しみの歌』を読んだ。 ラスト3分の1くらいはお風呂の中でへろへろになりながら。 新宿を舞台に本当にたくさんの人が出てきたけれど 一貫して何かが晴れることのない どんよりとした鈍色の低く重たい空のような数百ページだった。 たか…
とおいとおい夕暮れだったから 本当のことはもう伝わらないのかもしれない ラララが好きだと言ったのは きみだった かんがえること うたうこと 精一杯の言葉よりも ふいに音となったラララが わたしを突き動かす I think about you I sing about you ふたつ…
洗面台と蛇口 たばこの吸殻 深爪 囲われた中で溶け混じってゆくもの 折れた傘 トイレットペーパー 身から咲く花 かけられたハンガー ひかりの輪と欠けた靴 わたしにひかりは見えていたのか ボーダーラインはどこだったのか 世界をゆるく動かす大きな文脈 そ…
「笑っていいところで、泣いてもいいんだよ」
ひときわ大きく見える飛行機を目に焼き付けて ずいぶんと眠たいガタガタ揺れる午後1時の車の中 満天の空を見上げながら赤く続く点々を目の端に追い越しながら たまには歩いて帰ることが思いの外きもちいい今日の夜 「踊ろうよ」と言われたことはないけれど …
好きな映画に出てくる人たち 何かあるとshitとかfuckとかいう人たち そういう人たちを好きだと思うのに そういう人たちのようには なれない/ならない どうしてだろう?
口にしたいことがあるようなないような そもそもいまのわたしに 言葉を発する口などないのかもしれず そんなことに、あまやかさを覚える。 それでもたまには文章をかかねばならないですね わたしは言葉がすきなのです。 さいきんは身体で生きている感覚がつ…
写真のような人にであった。 記憶力の乏しいわたしに 「忘れても何度でも話すよ」といってくれる人。 写真をとるときに、覚えていたいって強い気持ちと同じくらい、 これで安心して忘れられるっていうゆるやかな諦めみたいな気持ちがある 写真に残しておけば…
AM 2:46 うちの子でいてくれてありがとう
ひどく心細い夕方というものが 世界には存在する。
静かに寝息をたてる音がします スー・スー・スー その音に耳を澄ませて 愛がはじまるときにだけ吹く風の匂いが すこし変わったような気がしたのだけれど そんなこともないのかな。どうかな。 わたしだけかな。 そしたらそれはそれで素晴らしいこと! (ただき…
2014年9月1日の日記 半年間ずいぶんと振り回されていた。体に。気持ちに。 なのに足場がないような感じがする。 そのときそのときをやり過ごすのに必死だったせいか 何があって、どのように経過したのかを、もう うまく思い出せない。 りえに言われたみたい…
みなさん、お久しぶりです。こんばんは。 毎日毎日、外にでるだけでたらーっと汗の流れる季節です。夏です。 わたしはというと、『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』的な日々を過ごしています。 スイカばかりじゅるじゅるとかじり、ジャック・ピアソン…
私たちは何のためにつくられたのだろう かわいいとおもえる小石を手にとって かわいいとおもえるひとの手をとって それじゃあ、行こうかと まだうすら明るい空の飛び石のような雲の間を 上手に上手に渡り歩いて まだ時間はあるさ 木の葉の揺れ動く音を聴く時…
さかなのあくびが見たくって 2人、つれないさかなを待った夜。 あやとりするみたいに話をした きみ。わたし。きみ。わたし。 とちゅうで大きな貨物船が ボー、と鳴きながら過ぎてゆく。 「冬に洗濯物が乾かない感じはあれだね、報われない恋のようだね。」 …
アンコールを待っていた。 パチパチパチ たくさんのパチパチ 徐々に減ってゆくパチパチ けれど誰かがそれを止めない。 すべてが終わることをその誰かが許してくれない。 「アンコールだ!もう1度その赤く古い匂いのする幕をあけて!もう1度だ!」 わたしは…
大切なものがなにかわかりだした瞬間のことを忘れないでいようと思う ずば抜けることがずば抜けてない日々に感謝を
SLR680を買いました。 フィルムサイドの膜を剥いでしまうのは それを見慣れさせたトシさんのせいです
取るに足らないことも起こってしまえば地球は刻む。在ることも表現することも世界を傷つけることに等しい。息を深く吐くことも、痛いくらい感じたこともわらったことも、泣いてしまったこともわたしもきみもあの人もみんな地球に置いてけぼりだ。記憶よりも…
ぼーっとしているとそれだけで体から水分が抜けていくような日です。 わたしは急いで冷えたペットボトルの口をキュッと捻って流し込む。 右腕には自分で噛んだ大きな痣 左腕にはリストカットの跡とピアスが2つ連なって。 お母さんのいう「普通の生活」につい…
ひっくり返したまんま置いていたネガの整理をした。いつ現像に出したのかわからないものがあってよくよく見てみると、なんで撮ったのかわからない写真が多かった。 「もうもどれない」 そういうことって こんなとこにも転がってるのか、と思ったらぜんぶ愛し…
たまには(秘密の)クロッキー帳の中身も載せてみる。
5月のはじまりは雨。 光がまあるくふくらんでいる。 あおく濡れた景色に安心したら眠れない。 体中の水分が抜けてくみたいだ。 そういえば、1年前の今頃見かけたトカゲはもうとっくに 死んでしまったのかもしれないなと思ったら少しさみしい。 今日みたもの…
やさしくするということは やさしくされる覚悟をもつということだ すきになるということは すきになられる覚悟をもつということだ あなたを見つめるということは あなたに見つめられる覚悟をもつことだ foto by toshi-san
ことばはたねだ四方八方に何千何百とまきちらして芽が出ないかとおもうとたったひとつが誰かさんの胸に根を下ろしどんな花がさく 片桐ユズル『わたしたちがいい時を過ごしていると』
わたしの目の前にきみがいる。 あたりまえのことのようだけれど、 きみの存在のすぐ隣には、きみの不在が横たわる。 世界を見渡してみる。 どうしたって、いつだって、 「きみがいること」と「きみがいないこと」は 切り離せないことなのだとおもう。 「余白…
「忘れることもまた、愛することだという気がする」
“記憶は忘却より強烈な行為である”
会ったことのないきみに向けて手紙を書きます。 ほんとうに会ったことがないのか、とか 年齢とか性別とか知らなくてもいいのです。 どこかで出会ったことがあってもいいし、同い年でも、男でも、女でも アメリカ人やトルコ人でも、一向にかまいません。 けれ…