tayutauao

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4月1日、蝶々結び

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気持ちがよければそれでいいんだよ

 

それが大切な君の言葉だった

 

もつれた色彩があんまりきれいなのに

それを言葉にすることがもう難しい

ただ、薄いピンクに覆われたこの町が好きだ。

 

恋人がいないとうまく眠れない

外から帰ったら手洗いうがいをすること

空を見上げること

種から育てていたサボテンに水をやること

それらはいつの間にか君にもらった。

近道をするつもりではなくて

かといって遠回りをするつもりもなくて

誰に何を言われたってわたしは君の味方だ

もう、きっと、ずっと

ついて出た言葉は「一緒に暮らそう」だった。

 

誰とも暮らしたくなんてなかった。

結婚するならまだしも、と冷めていた。

家族とも暮らせなくなった。

自分には関係のないことだと思っていた。

ひとりでいることがわたしをわたし足らしめるのだと思っていた。

なのに、恋人はそんなところをするりと抜けだして

わたしは彼のそばにいたいと願っている。

もう、きっと、ずっと。

 

恋人のお父さんからは

一緒に暮らすということは、つまりそういうことだから覚悟しなさいと言われた。

覚悟。

考える。

頭に手を当ててみる。

こころに聞いてみる。

わたしにとっては彼と過ごす何気ない時間の中にだって、常に覚悟があった。

「一緒に生きていきたい」

はじめてそう告げた時のことをわたしは一生忘れないと思う。

わたしをこんな風にさらってくれてありがとうと涙が出たから。

今、彼と生きることは、自分の人生を歩むことと同義なような気がしている。

あなたまかせにまわってゆく世界が、今は、ただ眩しい。

ただ眩しいだけではなくてその光のプールの中にそっと足を差し入れて

水遊びをしてもいいんだ、という感覚。うまく言えやしない。

 

それでも、変わらない。

もう、きっと、ずっと。

しあわせのこわさやうしろめたさで身を縮こめていた。

それが自分勝手なことだと教えてくれた彼がしあわせの象徴。

守るから。しあわせにするから。

そんなこと自分でなるものだと思っていたのに

ことん、と彼の肩にもたれかかっているわたしがいる。

魔法みたいだなって思いながらそこに

わたしなりの覚悟がぎゅう、と詰まっていること

恋人は知っているのかな、どうなのかな。

 

happyでlaugh laughな1年にしよう、と約束した。

やっとトンネルを抜けた気が、今している。

これからも、きっと、ずっと、だ。