12月18日、still in there
あたりまえに失われる毎日を
どうにかこうにかして引き止めたいと
書いたり、撮ったりすることは
ちゃんちゃらおかしくて
とても愛おしいことだと思う。
11月26日、because
one pain one hope
too far so close
we laugh we cry
we live we glow
*
まだ辺りはまっくらな明け方、4時50分。
クマのようにのそのそと起きだしたわたしはそうっと家の扉を開ける。
何かを吸収するような朝の冷えつきは吐いた息を白くすることがない。
いつしか山々の間から日がのぼり、人々が目覚め始める。
その頃の空気はうんと深く冷たくなり、わたしの体ははじめて寒さを感じる。
8時30分、家に帰り着き主人の不在により冷たくなった布団と毛布に体を預けると
わたしはいつしか夢の中に落ちている。たった一人きりで。
*
いたみ
きぼう
それらがかけ離れているとしても
私たちはよく笑い、そして時に泣きながら
成長し、生きていく。
いつか、過去を振り返る
こともあろうにそいつが涙を連れてやってくる
でも、今日は良く晴れて赤い葉が散り続けている。
明日のことはわからない。
けれど真白を飛び散らせながら淡々とやってくる。
きっと未来は手段の選択次第だ。
11月10日、want you back
今日仕事であなたがいた街に行ったよ
あなたが入れてくれたココアを思い出した
心地のよかった時間を思い出した
世の中の人間は生活にみんな不満を持っているんだと最近感じるんだけど
あの時の俺には何もなかったなと思った
いい時間があったことを幸せにも思った
*
わたしたちにはいい時代があった
それはそれはとてもいい時代が。
この人が思い出すのは寝起きのカルピスとか
寒い冬に何度も淹れてあげた甘ったるいココアとか
そんなものばかりだなアと思う。
1番幸せだったことってなんなんだろうと思う。
今思えばどれをとっても本当に幸せなことばかりだった。
真夜中の海に何度も行ったこと
好きなバンドのライブに行ったこと
私の手料理で君が野菜を克服していったこと
ついつい寝すぎてしまう君すら、眩しいほどの幸福だった。
一緒にお風呂に入りながら別れ話をしたあの夜も幸せだった。
あの時わたしたちには心配することなど何もなく、未来や希望、愛なんていう全てがあった。
あれは2人だけの夏の王国みたいなものだったのかもしれない。
今、君の言葉に私は大きく頷くことができる。
「いい思い出と未来の希望だけで人は明るく生きていけるのかもしれない」
10月21日、にじいろ
こんにちは
金木犀の匂いがあまりにもやわらかくて
ベッドから出るのが億劫なわたしです。
本当はただただ眠いだけです。
夜明け前、窓の輪郭がおぼろげに浮かび上がってくるその瞬間の青に胸がひんやりとする。
何億ともつけられない青でした。
夢を見ました。
カメラを叩き割る夢。
写真なんて撮るなと罵られる夢。
わたしは家族との一件から
写真を撮ること
言葉を書くことがとてもこわくなってしまった。
考えることもやめていました。
今それを考えることはとても怖い。
わたしにとっての「平和」が、誰かを傷つけるのがとても怖い。
けれどそんなことを言っていられないのも確かです
今は今だ。
今しかない。
あなたにも。わたしにも。
許されるのならわたしはわたしの今を残しておきたい。
静かに物思いに耽る瞬間
夜中に歌を歌ったこと
不恰好な蝶になること
ありえた可能性について
そんなものが後悔に変わる前に。
ねえ、あなたがわたしの可能性だ。
10月9日、P.S
花に触れた指先がくすぐったい
部屋を渡って行く風があまりにも躊躇なくて
私はなんだか苔むしたようなそんな気持ちになる
名付けられた世界にあまり興味がない
あなたのここが好きです、とか伝えるのが下手くそなタイプ
興味があるのはその間にあるもので
だってそこには限りない宇宙が広がっていて
足掻いてニュアンスとか手触りを記録してくのが好き
いつも確かな手触りはあるんだな
それを言葉にできないだけで
*
傷つけたくない、と言われた夜があった
でも好きだから傷つくよ、と言った。
傷ついてたってへいちゃら、とも。
そんな優しいことを言うのは君ぐらいだと思った。
そんな愛おしくなることを言うのは君ぐらいだと思った。
気づいたらわたしの中、君ばっかりになっていた。
*
何を憎まずとも、過ぎ行く秋のように
愛している時間だけでも生きるのには短すぎるね