2014-01-01から1年間の記事一覧
季節の訪れを見逃してはいけないよ、と あなたが言うのだ。
俺はこう言いたかった。 俺は別に気にしないよ 誰かが俺たちを見てなきゃだめだろ 空を見上げてさ、何もないだなんて思いたくもないよ 何かが俺たちのことを見てくれてるって思ってたいんだ でも俺は何も言わなかった。
きのう、樹木の描き方もわからなかったのだと言った あなたはおどろいていた ねえ、ヘブン もうここからは慣れてゆくことばかりだね
深海魚みたいだと思っていた人を 今となっては鳥のような人だと思っている。
「天使は見つけたほうがいい」 (text : coyote No.45 November 2010 Hideo Furukawa)
目の灼けつくと同時に、人生がヒリヒリとする眼鏡を外すと乱視彼女の意識はいよいよはっきりする 浴室のランプは湿った空気をまとった白色でそこに充ちた白は羽ばたきによって放たれた水蒸気起きたばかりの歌鳥がそうっとしまい込んでいた愛着のあるやわらか…
Peregrina paloma imaginaria Que enardeces los últimos amores, alma de luz, de música, de flores, peregrina paloma imaginaria. + ここにはうつくしいものが在るということ
photo with kasumi 何度も何度も繰り返し書いてきたことだけれど駅から家までの自転車道路には1つも街灯がない。わたしの自転車にはヘッドライトがついておらず夜になると自分の姿も歩行者もまったく見えなくなる。よってわたしは自転車を降り、押し、歩いて…
わたしは誰かをぞっとさせることができる。
「きっと夜中にものを考えすぎるんだ」 僕は笑って天井を見上げた。 「俺はね、夜中にものを考えるのを止したんだよ」と彼は言った。 * どうにもならないことが多くままならず 朝起きてああ、今日はいい朝だななんて思うことはなく 朝はやはり憂鬱で夜の耳…
4月1日、桜が満開である。風もよく吹く。まったき春。 家からすぐの秋篠川にも図書館の前の佐保川にも立派な桜並木があってわたしはこの町が本当に好き。 歩道にぐうんと伸び重みで少し地球に近いその枝の下を自転車ですり抜ける。 ほとんど白くうっすら色づ…
「 貧しいポルトガルの農家の娘が、 聖母マリアしか目にしたくないのでまさに聖母を見てしまうように、 たぶん私も自分の世界に対して盲になりたがっていたのかもしれない。」
ああ なんてよく笑ったんだろう 吸って 吐いて 吸って 吐いて タクトが風にあそばれる花びらみたい 速度をあげたり ふいにゆるまってかわいく舞う まばたき ぎこちなく指を運び 星が散る いつか鳴り止むファンファーレ けれど育まれることを恐れぬ大きな若木…
夜のバスに乗るのは久しぶりで わたしはここがどこだかわからない。 検討もつかない。まったく。 わかるのは目の前に座っている女の子の背に センテンスイズインマイヘッドと書いてあること。 黒のテラテラとしたジャンパーにアクリル絵の具みたいな黄色で書…
やりたいとおもっているのにそこ止まりで、誰も思い出さない9月の海に浮かぶクラゲみたいな気持ちがしている。 どこにもいけない行き止まりじゃあない。海はひろい。けだるい。 ぶつんと砕けたり、トロトロにとけてるようなクラゲになってしまうというのは、…
静寂を聴いている。 いつもは音楽を聴く部屋で。 風の吹かない夜、雲はいく。 酒の飲み過ぎでアタマノナカがとっ散らかっていて ああ、何から書けばいいんだろう。 それはできることならば、あなたへ。 わたしから、あなたへ。 言葉を知らなさ過ぎると思う …