tayutauao

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6月16日、平和

おひさしぶりです 気がついたら初夏の匂いもしてきましたが 色とりどりの傘が歩道橋を渡っていくのがみえて わたしたちには梅雨という季節があることを思い出しました。 流れ弾のような雨のもとをぴしゃぴしゃと音を立てて歩くと わたしたちは水の惑星に生き…

5月23日、あの子のバラード

「寄り添って生きていく」ということを考える

5月10日、東京

しとしと、と雨が降っていた今日。 16時頃まで寝たり起きたりを繰り返した今日。 枕元にはツルがひらきっぱなしのめがね 照明のリモコン とうに充電の終わった携帯電話 飲みかけの水のはいったペットボトル きのうは髪を乾かさずに寝たから 髪には変な癖がつ…

4月28日、ありふれた言葉

あなたは写真の似合う人です。 ただ、とても気になることに 不幸せな愛も似合う人なんです。 そう言われたことがあります。 わたしの恋人だった人は、女の人と一緒に死にました。 冬の朝は1ミリのずれもなくやってきました。 何層にもなった薄い紺碧をぺりぺ…

4月21日、猫とアレルギー

きみのひとみに…って言って乾杯した ちょっと恥ずかしかったけれど きみが笑ってくれた ゆるまった風の温度とか 花の香りがとけだした空気とか 午後3時過ぎの陽の当たり方とか そんなものがわたしを心地よくさせる ふと夢から覚める春の午後 「話せなくても…

4月12日、どこへも行かないよ

ふわり、ふわり、と散った桜の上を歩くと ほんのすこしの申し訳なさで なんだかここは桃源郷のような気がします すこしやわらかになった地面の上を歩くと ほんのすこしのやさしさで なんだかここはいいところのような気がします。 シニャックの絵の中でしか…

3月30日、明日を落としても

1人で煙草を吸うときは大体悲しいとき。 どうしたらいいのかわからなくて吸うことになる。 やわらかいつむじ風が耳の上のまあるくなった部分をこそばゆくする。 まだすこし寒い春の日。 茶、ゴールド、茶、茶、ゴールド 左手指のツメの色。 ほんとうは寂し…

3月26日、くちなしの丘

自由になりたい自由になりたいとしきりにあなたがいうので それがどのようなものか気になっている。匂いとか。さわった感じとか。 そして少し考えてみてから、わたしもそうなりたいのかもしれないと思った。 道の白線の上だけあるくこと 階段を1段飛ばしに…

3月21日、枷

枷' by 桑原優佑 | Free Listening on SoundCloud 暗くなってきた夕暮れにはあっと吐く白い息に気づかない 夜を迎える繊細が、なつかしい夕暮れを思い出させる こくこくとしずみゆく こんこんとのぼりくる わけられない光が満ち足りてそれはおそらく心の中に…

2月28日、omniscape

omniscape by 桑原優佑 | Free Listening on SoundCloud 名付けることだけに意味があるようで 世界がそのように組み立てられたものだとして うつくしいものはどこで見つけてくるのですか ここだけが宇宙の真ん中のようで たむけられた花束が本当は、それであ…

2月28日、灯

灯' by 桑原優佑 | Free Listening on SoundCloud あるく、あるく、あるく ここにはまだなにもない あいしているとささやくには ここにはまだあいがたりない きれいなものをみると ふとなみだがこぼれてしまうよに うつくしいものは ほとんどこの世のもので…

2月28日、川

川' by 桑原優佑 | Free Listening on SoundCloud 取り戻せないもの やりきれないこと そういった話をする前に あなたと今ここにいることを その意味を、そのやさしさを、その強度を、その寂しさを わたしは感じようと思うのです。 ぐずぐずとうずくまってい…

2月24日、alarm

裸でベランダに立つことはできないけれど こころは裸になることができる それを自由と呼ぶことができるのならば わたしは自由だ。 とぼけた顔をすること 利口にはなすこと シロツメクサで花冠を上手にあむこと 伝わりやすい歌詞をかくこと 白線の上だけをあ…

2月23日、melody

言いたいこともないのに キーボードを叩いてしまう そういえばいつもそうだった 冷えて打つのが鈍くなる手指の2月 思い出すということはあったということの2月 「きみにこころをほめられたい」そんな2月 人を傷つけるのがこわく、心底こわかった2月 悲し…

2月22日、今度までには

身のまわりにフランスが溢れていた。 ねぎさんとつくったマルセイユ石けん 芝居のセリフは「モンマルトルの丘で・・・」 好きなあの子の傘の柄 イガラシさんと観に行った展覧会のシニャックの絵 レヴィ=ストロースの書き付けた港のこと シニャックの絵のモ…

1月13日、Nature

こんにちは、冬も深むことを知ったような日々です。 さむい、さむい、と言いながらそれすらも楽しむことができる。 光が薄いガラスを断面から見たように射して、眩しくて、美しい。 日々のことを書こうと思います。 朝方には、薄明の空の粒子がすりガラス越…

12月29日、I am sorry

むかし、遠藤周作の『悲しみの歌』を読んだ。 ラスト3分の1くらいはお風呂の中でへろへろになりながら。 新宿を舞台に本当にたくさんの人が出てきたけれど 一貫して何かが晴れることのない どんよりとした鈍色の低く重たい空のような数百ページだった。 たか…

12月28日、Heaven

とおいとおい夕暮れだったから 本当のことはもう伝わらないのかもしれない ラララが好きだと言ったのは きみだった かんがえること うたうこと 精一杯の言葉よりも ふいに音となったラララが わたしを突き動かす I think about you I sing about you ふたつ…

12月27日、shame

洗面台と蛇口 たばこの吸殻 深爪 囲われた中で溶け混じってゆくもの 折れた傘 トイレットペーパー 身から咲く花 かけられたハンガー ひかりの輪と欠けた靴 わたしにひかりは見えていたのか ボーダーラインはどこだったのか 世界をゆるく動かす大きな文脈 そ…

12月23日、Gift

「笑っていいところで、泣いてもいいんだよ」

12月9日、アンビリバーズ

ひときわ大きく見える飛行機を目に焼き付けて ずいぶんと眠たいガタガタ揺れる午後1時の車の中 満天の空を見上げながら赤く続く点々を目の端に追い越しながら たまには歩いて帰ることが思いの外きもちいい今日の夜 「踊ろうよ」と言われたことはないけれど …

12月7日、フローライト

好きな映画に出てくる人たち 何かあるとshitとかfuckとかいう人たち そういう人たちを好きだと思うのに そういう人たちのようには なれない/ならない どうしてだろう?

12月6日、in gold

口にしたいことがあるようなないような そもそもいまのわたしに 言葉を発する口などないのかもしれず そんなことに、あまやかさを覚える。 それでもたまには文章をかかねばならないですね わたしは言葉がすきなのです。 さいきんは身体で生きている感覚がつ…

12月5日、閃光少女

写真のような人にであった。 記憶力の乏しいわたしに 「忘れても何度でも話すよ」といってくれる人。 写真をとるときに、覚えていたいって強い気持ちと同じくらい、 これで安心して忘れられるっていうゆるやかな諦めみたいな気持ちがある 写真に残しておけば…

12月1日、R.I.P

AM 2:46 うちの子でいてくれてありがとう

Re:tres octbre

ひどく心細い夕方というものが 世界には存在する。

ベンガルトラとウィスキー

静かに寝息をたてる音がします スー・スー・スー その音に耳を澄ませて 愛がはじまるときにだけ吹く風の匂いが すこし変わったような気がしたのだけれど そんなこともないのかな。どうかな。 わたしだけかな。 そしたらそれはそれで素晴らしいこと! (ただき…

9月14日、manos orar

2014年9月1日の日記 半年間ずいぶんと振り回されていた。体に。気持ちに。 なのに足場がないような感じがする。 そのときそのときをやり過ごすのに必死だったせいか 何があって、どのように経過したのかを、もう うまく思い出せない。 りえに言われたみたい…

9月7日、M.U.S.E

8月16日、Image Word

みなさん、お久しぶりです。こんばんは。 毎日毎日、外にでるだけでたらーっと汗の流れる季節です。夏です。 わたしはというと、『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』的な日々を過ごしています。 スイカばかりじゅるじゅるとかじり、ジャック・ピアソン…