1月23日、YAMABIKO
わたしのとこ、風が強い
あなたのとこ、風は吹いている?
冬、そういってしまったら、おしまいでしょう
雪、そう書いてしまったら、かなわない
あなたに出会った季節のこと
束ねておく必要は、どこにもない
’書くこと’は罠だ
書く時間はとてつもなく、つらく、こわい。
風呂にも入らない日々が続くことだってある。
弔いに向かう面持ちで、ペンを握る。PCに向かう。
やりたくない、とごちる。
けれどつづけていることなど、他にない。
誰になりたくて歩いているんだろう
そう言っていた、わたし
歩き出す。
今はもう迷いがない。
*
「わたしは風だ」
そんなふうに思っていた。
「去り際のタイミングを掴み損ね」たまま
なつかしい場所でいつまでも揺れているだけの。
あたらしい夢を見ることに憧れたままの。
青の時代に手をつないだ人たちの温度を魔法瓶にいれたっきりの。
何かが変わってく予感に鈍感なままの。
けれど風は吹いていた。
いつも、そこに吹いていた。
どこに連れてくのと見上げたそばから
はたりとやんでみせたりするから
風、そうだね、
わたしは自分で歩いていこうと思うよ。
*
ねえ、風。
あなたが知ってる朝が見たい