tayutauao

text / photo

2月7日、あなたに電話しない夜

 

見慣れた帰り道

電車に揺られながら覗き込む夜。

今日はあまりきれいだとは思えなかった景色。

そういうものも、あるのだ。

何でもかんでも感動していられない日というものが、あるのだ。

雑多でとりとめのない限りのないグレーの生活が、

真面目な顔でうごめいているだけ。

 

f:id:tayutauao:20170203051910j:plain

f:id:tayutauao:20170203051906j:plain

 

 

素晴らしい夜もあったの。

すべて許せてしまう夜もあったの。

 

あなたは元気かなあ

電話をしない夜を何度も繰り返す

あなたのルールを思い出す

あなたのことも思い出す

そうやって同じ場所でたった一人のあなたに何度も出会う

誰かが堂々巡りと言っても、わたしにはいつも初めてのこと。

そんなわたしにあなたはつよいひと、と笑う。

 

つよいひとになりたい

いつかの魔法使いが言っていたような。

つよいひとになりたい

あなたの袖口に触れてはじめて、思った。