2月17日、蝶々結び
思えばきみは出会った時から、なつかしい人でした。
白い鳥たちが飛び立つその音を聞いた。
うんと寒い海にはまだお昼間だというのにまったく人気がなく
私はそこでただのひとりきりだった。
広い海を見ていると、そのことがもっともっと染み入ってくる。
いつもそう、ちいさなことが意味を持ちすぎる。
話すことなら、ある。
どうでもいい今日を
ほんとうは大事な今日を
どうしようもなく泣いてしまった今日を
届けるんなら、きみへ。
誰にでも話したいわけじゃない。
泣き腫らしたきみの目に
そっとくちづけたい夢でも見ているようで
私だってね、まだうまく歩けそうにない。
思えばきみは出会った時からなつかしい人でした。
ありがとうありがとうありがとうの午前4時。
願わくばきっとまた笑って。